FXのダイバージェンスの活用方法を詳しく知りたい!
本記事はこのような疑問に答えます。
FXのダイバージェンスは、テクニカル分析の重要なサインのひとつです。
ダイバージェンスとは、価格とインジケーターの動きに相違が生じることを指し、この現象が相場のトレンドを予測する手がかりになることがあります。
そこでこの記事では、FXのダイバージェンスの意味や種類、活用方法を詳しく解説します。
ダイバージェンスが発生するインジケーターの具体例や、ダイバージェンスを活用したトレード手法についても解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
- FXのダイバージェンスの意味
- FXのダイバージェンスの種類と活用方法
- FXのダイバージェンスを活用したトレード手法
FXのダイバージェンスとは
まずはダイバージェンスがどのような状態を指すものなのかを詳しく見ていきましょう。
ダイバージェンスの意味や種類について解説していきます。
FXのダイバージェンスの意味
FXのダイバージェンスとは、チャートの価格とオシレーター系のテクニカル指標が逆方向に動く現象のことです。
このように、価格が安値を更新しているのにも関わらずインジケーターの高値が切り上がっている状態や、価格が高値を切り上げているのにも関わらずインジケーターの高値が切り下がっている状態がダイバージェンスになります。
このダイバージェンスが意味するのは、それまでのトレンドが弱まりつつあるということです。
そのため、ダイバージェンスをトレンドの終了や転換のサインとして利用することができます。
現在の相場が「買われすぎているのか、売られすぎているのか」といった、相場の過熱感を分析するためのテクニカル。
なお、代表的なオシレーター系テクニカルは以下の通りです。
- ストキャスティクス
- モメンタム
- CCI
- DMI・ADX
- MACD
- RSI
- RCI
FXのダイバージェンスの「強気と弱気」の活用方法
ダイバージェンスには「強気のダイバージェンス」と「弱気のダイバージェンス」があり、それぞれトレードへの活用方法が違います。
強気のダイバージェンスとは、価格が下降トレンドにあるときにインジケーターが上昇する現象のことです。
この場合、価格の下落に市場の勢いが伴っていないことを示しており、下降トレンドの終わりや反発のサインとして活用できます。
上昇を示唆しているということで「強気」ですね。
一方、弱気のダイバージェンスとは、価格が上昇トレンドにあるときにインジケーターが下降する現象のことです。
この場合、価格の上昇に市場の勢いが伴っていないことを示しており、上昇トレンドの終わりや反落のサインとして活用できます。
上昇を示唆しているのか下降を示唆しているのか、強気・弱気の違いをしっかり理解しておきましょう。
FXのオシレーター系テクニカルでダイバージェンスが起こるわけ
FXでダイバージェンスが起こるのは、オシレーター系テクニカルが相場の勢いの変化を先取りして反応しているためです。
チャート上の価格というのは、市場の需給バランスによって決まりますが、オシレーター系テクニカルの指標は価格の変動率や変動幅から求められます。
そのため、オシレーター系テクニカルは価格よりも先にトレンドの変化を捉えやすく、価格が上昇(下落)している段階で、すでにオシレーター系テクニカルは下落(上昇)を開始するという逆行現象(ダイバージェンス)がしばしば起こります。
ダイバージェンスは、トレンドの終了や転換の際に必ず起こるものではないので注意しましょう。
FXのダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンス(リバーサル)の違い
ダイバージェンスの中には、トレンドの終了や転換を示唆するものではなく、「トレンドの継続」を示唆するダイバージェンスがあります。
それがヒドゥンダイバージェンス(リバーサル)です。
- ダイバージェンス:トレンドの終了・転換
- ヒドゥンダイバージェンス(リバーサル):トレンドの継続
ヒドゥンダイバージェンスも価格とテクニカルが逆行するという部分ではダイバージェンスと同じで、強気と弱気があるのも同じになります。
強気のヒドゥンダイバージェンスは以下の通りです。
ダイバージェンスと非常によく似ていますが、違うのは直近の安値に注目している点です。
上の図のように「安値を切り上げ」ているにも関わらず、テクニカル指標は「安値を切り下げ」ています。
この現象が強気のヒドゥンダイバージェンスで、上昇トレンドの継続を示唆しています。
一方、弱気のヒドゥンダイバージェンスは以下の通り。
「高値を切り下げ」ているのにも関わらず、テクニカル指標は「高値を切り上げ」ています。
この現象が弱気のヒドゥンダイバージェンスで、下降トレンドの継続を示唆しています。
なお、ダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンスを見分けるポイントは以下の通りです。
種類 | 価格 | テクニカル | サイン |
---|---|---|---|
強気のダイバージェンス | 安値切り下げ | 安値切り上げ | 下降トレンドの終了・転換=買い |
弱気のダイバージェンス | 高値切り上げ | 高値切り下げ | 上昇トレンドの終了・転換=売り |
強気のヒドゥンダイバージェンス | 安値切り上げ | 安値切り下げ | 上昇トレンドの継続=買い |
弱気のヒドゥンダイバージェンス | 高値切り下げ | 高値切り上げ | 下降トレンドの継続=売り |
ダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンスは共に価格とテクニカルが逆行するのは同じですが、それぞれが示唆しているものは違うので注意しましょう。
ヒドゥンダイバージェンスは押し目や戻りなどの調整局面で起こりやすいです。
調整の売り・買いが出尽くして再びトレンド方向に動き出すというイメージですね。
FXでダイバージェンスが発生するオシレーター系のインジケーター
ここからはオシレーター系のインジケーターで実際にダイバージェンスが発生してる状況を実際のチャートを使って確認していきます。
確認するのは以下の5つのインジケーターです。
- MACD
- ストキャスティクス
- モメンタム
- RSI
- CCI
それぞれ詳しく見ていきましょう。
今まで使ったことがないインジケーターがあれば、これを気にチェックしてみてください。
FXのMACDのダイバージェンス
MACD(Moving Average Convergence Divergence)は、日本語に訳すと「移動平均収束拡散」という意味で、文字通り移動平均線の発展版のようなテクニカル指標です。
主にトレンドの転換点や強さを測るために使用され、実際のエントリーやエグジットの判断に役立ちます。
そんなMACDのダイバージェンスは以下の通りです。
MACDは、短期の指数平滑移動平均線と長期の指数平滑移動平均線の差を表すMACD線と、その移動平均線であるシグナル線の2本の線、そしてそれら2本の線の間の距離を棒グラフで表したヒストグラムから構成されます。
通常、MACD線がシグナル線を上抜ければ買いのシグナル、その逆の場合は売りのシグナルになります。
移動平均線のゴールデンクロス・デッドクロスのイメージですね。
MACD線はシグナル線よりも先行して動くので、MACDでダイバージェンスを確認する場合、まずはMACD線の動きをチェックするようにしましょう。
FXのストキャスティクスのダイバージェンス
ストキャスティクス(Stochastic Oscillator)は、一定期間の高値・安値から相場の買われ過ぎや売られ過ぎを判断するテクニカル指標です。
ストキャスティクスのダイバージェンスは以下の通り。
ストキャスティクスは、「%K」と「%D」という2本のラインが0から100の範囲で表示され、通常2本のラインが80%以上で推移すると「買われすぎ」、20%以下で推移すると「売られすぎ」と判断します。
そのため、ダイバージェンスがストキャスティクスの80%以上または20%以下で発生した場合は、トレンド転換を示すサインとしての信頼性が増します。
FXのモメンタムのダイバージェンス
モメンタム(Momentum)は、現在と過去の値動きの比較から相場の勢いや方向性を判断するテクニカル指標です。
モメンタムのダイバージェンスは以下の通り。
モメンタムは0を基準に表示されます。
通常、ラインが0より上にあれば強気相場、0より下にあれば弱気相場と判断し、ダイバージェンスはトレンドの終了・転換の重要なサインになります。
FXのRSIのダイバージェンス
RSI(Relative Strength Index)は、日本語に訳すと「相対力指数」という意味で、一定期間の値上がり幅・値下がり幅から相場の買われすぎや売られすぎを判断するテクニカル指標です。
RSIのダイバージェンスは以下の通り。
RSIは0から100の範囲で推移し、70以上であれば買われすぎ、30以下であれば売られすぎと判断します。
そのため、ダイバージェンスがRSIの70%以上または30%以下で発生した場合は、トレンド転換を示すサインとしての信頼性が増します。
FXのCCIのダイバージェンス
CCI(Commodity Channel Index)は、日本語に訳すと「商品チャンネル指数」という意味で、一定期間の平均価格と現在値との乖離から相場の買われすぎや売られすぎを判断するテクニカル指標です。
CCIのダイバージェンスは以下の通り。
CCIでは一般的に、±100を超えればトレンド発生、±200あたりで買われすぎ・売られすぎと判断します。
そのため、CCIの±200付近でダイバージェンスが発生した場合はトレンド転換を示すサインとしての信頼性が増します。
ただし、CCIは他のオシレーター系テクニカルとは異なり、上限と下限が設けられていません。
したがって、一般的に0を中心に±100~±200程度が目安とされるCCIの数値ですが、強いトレンド発生時などはそれよりも大きな数値になる場合があるので注意が必要です。
FXのダイバージェンスを活用したトレード手法
ダイバージェンスを実際のトレードに活用する場合、複数のテクニカル分析を組み合わせることで、よりトレードの精度が上がります。
ここからはそんな、ダイバージェンスを使ったトレード手法をいくつか見ていきましょう。
FX初心者の方がトレードにダイバージェンスを活用するなら、インジケーターはストキャスティクスやRSI、MACDあたりがおすすめになります。
これらのインジケーターは、「買われすぎ」や「売られすぎ」の基準が明確でダイバージェンスをトレードに活かしやすいです。
節目となる価格帯でのダイバージェンス逆張り
重要なレジスタンス・サポートラインやキリ番(ラウンドナンバー)、直近の高値・安値などの節目となる価格帯でダイバージェンスが発生すると、絶好の逆張りのエントリーポイントになります。
通貨の価格末尾に0が並ぶキリの良い数字のこと。
例えば、ドル円だと150.00円や145.00円、ユーロドルだと1.1000ドルや1.1500ドルなどがキリ番に該当。
キリ番は、トレーダーの心理的な節目として意識されることが多く、サポートラインやレジスタンスラインとして機能することがある。
上のドル円のチャートでは114円付近でダイバージェンスが発生しているのがわかります。
このような節目となるポイントとダイバージェンスを組み合わせると、精度の高い逆張りができるようになります。
上ヒゲや下ヒゲ、ピンバーなどの反転を示すローソク足の形状でエントリーすると、よりトレードの精度が上がります。
チャートパターンとダイバージェンスによる逆張り
ダブルトップ・ダブルボトムやヘッドアンドショルダーなどの反転を示すチャートパターンとダイバージェンスが同時に発生すると、トレンド転換の可能性が高まります。
上のチャートでは、上昇局面でのダブルトップとダイバージェンスが同時に発生しているのがわかります。
このような局面は絶好の逆張りのチャンス。
安全にいくならチャートパターンの完成後がエントリーポイントになりますが、チャートパターン完成を見越した早めのエントリーも可能です。
日頃からチャートパターンをすぐに見つけれるようにしておきましょう。
トレンド系テクニカルとダイバージェンスの併用
トレンド系テクニカルインジケーターはエントリータイミングを計るのに役立ちます。
ダイバージェンスで転換の可能性を確認し、実際はトレンド系テクニカルのサインでエントリーするイメージです。
移動平均線×ダイバージェンス
ダイバージェンスが発生している際の移動平均線のエントリータイミングは、ローソク足が移動平均線をブレイクしたタイミングか、またはその後の押し目・戻りになります。
このようにダイバージェンス発生後、移動平均線を使ってしっかりトレンドの方向感を確認することで、精度の高いエントリーができるようになります。
エントリータイミングとしては順張りになりますね。
逆張りが怖い方にはおすすめです。
ボリンジャーバンド×ダイバージェンス
ダイバージェンスとボリンジャーバンドの特性を活かせば、精度の高い逆張りが可能になります。
エントリーまでの手順は以下の通りです。
- ダイバージェンスを確認
- ローソク足がボリンジャーバンドの±2σにタッチしたのを確認
- 上昇トレンドの場合はローソクが陰線確定でエントリー
- 下降トレンドの場合はローソクが陽線確定でエントリー
上のチャート場合、上昇トレンド中にダイバージェンスが発生してるので、売りのエントリーを待つ形になります。
そして、ボリンジャーバンドの+2σにローソク足がタッチしたのを確認後、ローソクの陰線確定でエントリーです。
ちなみに、ボリンジャーバンドの各バンド内に価格が収まる確率は以下の通り。
- ±2σ→約95.4%
- ±1σ→約68.3%
こうしたボリンジャーバンドの特性を活かし、ダイバージェンスをトリガーに逆張りを行っていきます。
利益確定のみにダイバージェンスを使う
ダイバージェンスはエントリーだけでなく、エグジットにも利用できます。
特にトレンドフォローをメインの手法にしている方であれば、ダイバージェンスを利益確定のみに使うのもおすすめです。
トレンドフォローで難しいのは、エントリーではなくエグジットの方だったりします。
そのため、明確なレジスタンスやサポート、高値や安値などの目標が無い場合は、ダイバージェンスがひとつの利益確定の目安になるのでおすすめです。
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FXのダイバージェンスの注意点
FXのダイバージェンスは、トレンドの転換や継続を示唆するものですが、以下のような注意点があります。
- 必ずしもトレンドの転換が起こるとは限らない
- 短い足ではダマシが起きやすい
まず注意しなくてはいけないのが、ダイバージェンスが発生したからといって、必ずしもトレンドの転換が起こるとは限らないということです。
どんなインジケーターにもダマシがあるように、ダイバージェンスも絶対ではありません。
トレンドの転換は、ファンダメンタルズなどの様々な要因が絡んで起きるものなので、ダイバージェンスだけを判断材料にするのは注意が必要です。
また、ダイバージェンスは短い足になればなるほどダマシが起きやすくなります。
そのためダイバージェンスは、1時間〜日足〜週足といった長期の時間足になればなるほど信頼度が上がり、1分〜15分といった短い時間足でダイバージェンスをトレードに利用する場合は注意が必要になります。
ダイバージェンスは、スキャルピングよりもデイトレードやスイングトレードに活用した方がいいですね。
FXのダイバージェンスに関するよくある質問
トレーダーが抱える疑問には共通する部分が多いものです。
ここからはFXのダイバージェンスに関するよくある質問に答えていきますので参考にしてみてください。
普段MACDを使ってFXのトレードしているのですが、ダイバージェンスが発生するテクニカルは他に何がありますか?
FXでダイバージェンスが発生するのはオシレーター系のテクニカルになります。
代表的なオシレーター系テクニカルは以下の通りです。
- ストキャスティクス
- モメンタム
- CCI
- DMI・ADX
- MACD
- RSI
- RCI
FXはダイバージェンスのみで勝てますか?
ダイバージェンスが発生してもトレンドが続く場合もありますし、ダイバージェンスが発生しないのにも関わらずトレンドが転換するというケースは多々あります。
そのため、ダイバージェンスのみで勝つのは極めて難しいと言わざるを得ません。
ただし、SNS等で有名なトレーダーの中には「Kei FX(けいFX)」さんのようにダイバージェンスを主な手法のひとつとしてトレードを行っている人もおり、ダイバージェンスが有効なサインであるのは確かです。
ダイバージェンスを使った勝つ確率が高いFXのトレード手法を教えてください。
まず最初にお伝えしたいのが、FXでは必ず勝てる「聖杯」のようなものはないということです。
その上で、勝つ確率が高いトレード手法をあげるとすると、ダイバージェンスと他のテクニカルを組み合わせた手法になります。
詳しくは「FXのダイバージェンスを活用したトレード手法」のパートでいくつか取り上げているので参考にしてみてください。
FXのダイバージェンスはどの時間足で確認するのがいいのですか?
FXのダイバージェンスは、基本的にどの時間足でも発生しますが、比較的長期的なトレンドの転換を見極めるのに効果を発揮します。
そのため、短い足だと1時間足くらいから、4時間〜週足でダイバージェンスを確認するのがおすすめです。
ダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンスの違いがよくわからないのですが…
ダイバージェンスがトレンド転換・終了のサインなのに対し、ヒドゥンダイバージェンスはトレンド継続のサインになります。
ダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンスの形状の違いは以下の図の通りです。
ダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンスを見分けるポイントとしては以下の通りになります。
✔ダイバージェンス
- 下降局面では安値に注目→価格は安値切り下げ・インジケーターは安値切り上げ
- 上昇局面では高値に注目→価格は高値切り上げ・インジケーターは高値切り下げ
✔ヒドゥンダイバージェンス
- 下降局面では高値に注目→価格は高値切り下げ・インジケーターは高値切り下げ
- 上昇局面では安値に注目→価格は安値切り上げ・インジケーターは安値切り上げ
FXのダイバージェンスまとめ
ここまで見てきたように、FXのダイバージェンスはトレンド転換・終了を示唆するサインです。
そのため、ダイバージェンスを知っているかどうかでトレードへの影響も大きく変わってきます。
ヒドゥンダイバージェンスと合わせてしっかりと意味や活用方法を確認し、トレードに活かしていきましょう。
ダイバージェンスを知っているだけでトレードの引き出しが増えますね。
ただし、ダイバージェンスにもダマシはあります。
他のテクニカル分析を組み合わせ、確率の高いトレードを目指していきましょう。
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